地中海の文化と最近の発展

私が地中海に浮かぶ小さな島、「マルタ」に移り住んだのは約18年前。初めて訪れたときは信号機もあまり見かけない島でした。コンクリートの道でもガタガタで、まるでパッチワークをしたかのような道路と歩道。坂も多いことから、ヒールで歩くのは困難でした。

その頃は日本食レストランもなかったのですが、まぁ、地中海料理は美味しかったのでいつも地中海料理(イタリアンやフレンチ、ギリシャ料理やもちろんマルタ料理)とジェラートに舌鼓を打っていました。

住み始めた翌年、初めての日本食レストランがオープン。地元の人の話によると、昔、日本食レストランがオープンしたものの流行らず閉店したそうです。1件オープンしたかと思ったら、次々と日本食レストランがオープン!寿司ブームがやってきました。今頃?!って感じでしたが、小さな島国の人たちは食に関してちょっと保守的。特に年配の方たちには、生魚を食べる、というのにちょっと抵抗があるようでした。その頃はまだEUにも加盟していなかったマルタ。マルタリラという通貨で、バスはエアコンのない、ドアもないので好きなとこで降りることができましたね。

その頃はたまに語学学校に数週間勉強に来る日本人も見かけましたが、住んでいたのは10人いるかいないかだったのではないかな。ところがそんなマルタもだんだんと変わっていきました。

22階建てのビルが建ち(それまではせいぜい6−7階)もともと夏は観光客で賑わっていたマルタですが、冬も外国人をよく目にするように。

それは、オンラインカジノがマルタに拠点を置くようになったからです。何でも税金が安いんだとか。というわけで、オンラインカジノが人気の北欧の会社などがこぞってマルタに移ってきました。

日本でもマルタ島が取りあげられ始めたのは、その頃じゃないでしょうか。オンラインカジノ業界で働く外国人が増え、バスにもエアコンが付き、7階を超えるビルが増え始めました。比例して物価も高くなっていきました。

現在とってもバブリーなマルタ。日本人もよく見かけるようになりました。オンラインカジノでは日本人の求人をよく見ます。オンラインカジノ業界のジャパニーズカジノという日本語アフィリエイト会社で働いている日本人スタッフと話をする機会があったのですが、その方も最近のマルタの変わりように驚いていました。

以前よりずっと便利に住みやすくなった(物価はさておき)マルタ。世界遺産や美しい青い海を残しながらも、今後この島がどのように変わって行くのかも興味のあるところです。

6 Nov 2020